営業活動を続け、保管する名刺の量が増えるほど、目的の情報を見つけにくくなり、整理に時間がかかります。
名刺をファイルにとじたり、Excelに情報を入力して管理を試みたりしているものの、「もっと自分に合った名刺管理の方法があるのではないだろうか」と考えている方は少なくないでしょう。
名刺管理の方法には、アナログ管理とデジタル管理の2つがあります。本記事では、アナログとデジタルそれぞれの方法を整理した上で、名刺管理に求められるポイントをわかりやすく解説します。
また、アナログ管理とデジタル管理の特徴をまとめた表や、名刺管理サービスを選ぶコツも紹介するので、自分に合った方法を見極める際の参考にしてみてください。
名刺のアナログ管理方法

アナログ管理は、名刺をホルダーやボックスに収納して管理する方法です。
冊子型で書籍のようにめくれるホルダーは検索性に優れますが、名刺を入れ替える際に手間がかかります。一方、名刺を縦に差し込んでいくボックスは名刺を入れ替えしやすい構造ですが、目的の名刺を見つけにくいのが難点です。
どちらを選ぶかは好みによりますが、多くの営業担当者はホルダーかボックスをデスクに保管しながら、名刺の整理と検索を日々行っています。
1-1. 具体的な管理方法
ホルダーやボックスを使いこなすためには、名刺をどのような順番で並べるかが重要です。それにより名刺の検索性が左右されます。
1️⃣ 社名を五十音順に整理
社名から名刺を検索する機会が多い場合は、名刺を五十音順に並べて収納するのが一般的です。その際は「株式会社」の記載を除外して五十音順に整理します。その方が、前株か後株かを忘れても、目的の会社を見つけやすいためです。
名刺の数が多いときは、「あ」「か」「さ」「た」「な」をはじめとするインデックスをつけて、目的の名刺がホルダーやボックス内のどの位置にあるか、当たりを付けやすくする工夫がなされます。
2️⃣ 業種別に整理
社名を思い出せず、業種から目的の会社を探す場合は、名刺を業種別に整理します。インデックスを利用して、「農業、林業」「漁業」「建設業」「製造業」「情報通信業」のようにホルダーのページやボックス内のエリアを分け、名刺を収納する方法です。
また、同じ業種に分類される名刺を五十音順に並べると、さらに検索性が向上します。複数の業界で事業を展開している会社の場合は、主要な業種を基準とするか、名刺交換をした担当者の所属部署を基準とするかのルールを定めておくと良いでしょう。
3️⃣ 時系列順に整理
入手した順に名刺を整理する方法もあります。その際は、交換した日付を名刺に記入しておくと便利です。
名刺を一時的に保管する際に、この方法を用いる場合もあります。1週間のうちに入手した名刺をとりあえず入手順に収納し、週末に五十音順や業種順に並べ替えるかたちです。
1-2. アナログ管理の課題
ここまで確認したように、アナログ管理は、一定の並べ方に沿って名刺をホルダーやボックスに収納する方法です。シンプルで、名刺管理を始めやすい一方、運用を続ける中で次のような課題を感じる場合があります。
名刺の紛失
紙で管理する以上、紛失リスクは避けられません。外出先での出し入れや、デスク上での整理の際に名刺を失くしてしまうケースがあります。一度紛失すると、情報の復元は困難です。
携帯性の低さ
大量の名刺を持ち歩くのは現実的ではありません。外出先で過去の接点を確認したくても、手元にホルダーやボックスがなければ対応できないという不便さがあります。
検索にかかる工数
並び順を決めて名刺を整理しても、社名変更や担当者の部署異動があれば並べ直しが必要です。このような整理を繰り返すうちに、目的の名刺にたどり着くまでに時間がかかるようになり、営業効率の低下につながる恐れがあります。
保管スペースの確保
名刺は増え続けるため、ホルダーやボックスの数も増加します。オフィスの保管スペースを圧迫し、整理整頓の手間も増えていくでしょう。
このように、アナログ管理は手軽さというメリットがある一方で、営業活動の拡大や組織的な運用を考えたときに、さまざまな制約が生じる恐れがある方法といえるでしょう。
2.名刺のデジタル管理方法

デジタル管理では、紙の名刺そのものではなく、データ化した名刺情報を管理します。特定の営業担当者の名刺をデータ化するのではなく、部内や会社内にある名刺をまとめて管理するケースが多いです。
2-1. 具体的な管理方法
名刺のデジタル管理は、使用するツールにより大きく2つに分かれます。以下では、Excelを使用する場合と名刺管理サービスを使用する場合について確認していきましょう。
1️⃣ Excelで管理
Excelは多くの会社で使われており、導入のハードルが低いため名刺管理にも用いられます。名刺に記載されている以下のような情報をセルに打ち込んだ上で、フィルターや並べ替えの機能を活用すれば、情報の検索性も高まる点が特徴です。
会社名
部署名
担当者の氏名
電話番号
メールアドレス
Excelをクラウド環境に格納しておけば、社内での情報共有もスムーズに行えるでしょう。一方、Excelへのデータ入力に時間がかかり、打ち間違いのリスクもあります。会社名などを打ち間違えると、検索で目的の名刺を見つけにくくなるため注意が必要です。
2️⃣ 名刺管理サービスで管理
営業活動を拡大したり、名刺情報を組織的に運用したりするために、名刺管理サービスを用いるケースがあります。
多くの名刺管理サービスは、スマートフォンで撮影するだけで名刺をデータ化できるため便利です。スマートフォンのカメラ機能を使えないサービスは、スキャナーと組み合わせて使用されます。
このように撮影するだけで名刺を登録できるほか、共有範囲を設定できたり、データをCSVなどの形式でエクスポートできたりと、名刺の管理および共有に必要な機能が揃っている点が特徴です。一方、月額料金が発生するサービスが多いため、導入時は費用対効果を確認する必要があります。
2-2. デジタル管理のポイント
名刺のデジタル管理は、使用するツールにより大きく2つに分かれます。以下では、Excelを使用する場合と名刺管理サービスを使用する場合について確認していきましょう。
過去の名刺をデジタル化しやすい方法を選ぶ
名刺情報を社内の資産として活用する場合、過去に入手した大量の名刺を、いかにスムーズにデータ化できるかが重要です。スマートフォンで複数枚をまとめて撮影する方法や、まとめてスキャンできる仕組みなど、自社が保有する名刺の枚数やリソースに合った手段を選びましょう。名刺データの活用を検討する
デジタル管理の強みは、名刺情報を蓄積できるだけでなく、さまざまな方法で活用できるところにあります。データをエクスポートしてメルマガ配信をしたり、商談に進んでいない見込み顧客を一覧化して再架電したり、デジタル管理を始める際は、名刺をどのように活用するか設計しておくことが大切です。セキュリティを意識する
名刺には氏名や連絡先などの個人情報が含まれています。デジタル管理を開始する場合は、アクセス権限の設定やデータの暗号化、ログ管理などのセキュリティ対策も検討していきましょう。社内ルールを整備し、不正アクセスや情報漏えいを防ぐ体制づくりが求められます。定期的なバックアップ
名刺情報をデータ化した後に、紙の名刺を処分するケースがあります。そのような場合は、万が一の操作ミスに備え、データのバックアップを取っておくことが重要です。名刺管理サービスを選定する際は、復旧の有無や手順を事前に確認し、トラブル時に資産を失わない仕組みが求められます。
このように、デジタル管理はアナログ管理にはない利便性を備えていますが、運用設計やルールづくりが必要です。これらのポイントを意識し、名刺情報を営業資産として最大限に活用できる体制を構築しましょう。
アナログとデジタルに共通する名刺管理のポイント

ここまで、アナログ管理とデジタル管理の具体的な方法や、課題およびポイントを確認してきました。ここでは、アナログ・デジタルを問わず、名刺管理に求められるポイントを改めて整理していきます。
3-1. 必要な情報を名刺に紐づけてメモ
名刺は単なる連絡先が書かれた紙ではなく、他社との接点の履歴です。名刺に表れていない次のような情報を追加で記録することで、営業活動により活用しやすくなるでしょう。
アナログ管理の場合は、紙の名刺の余白にメモを直接書き込む方法が有効です。裏面にペンで追記するだけで、後から見返したときの情報量が増えます。
デジタル管理の場合は、メモ機能などを活用し、名刺情報と追加情報を紐づけて記録していきましょう。余白という制約がないため、情報を豊富に書き込めます。
このような追加情報を記録し、次回の商談前に見返すことで、相手方の担当者に「前回の打ち合わせの内容をしっかり把握してくれている営業担当者」という印象を与えられます。このような小さな出来事の積み重ねは、信頼関係の構築に役立つはずです。
3-2. 名刺は素早く整理
アナログ・デジタルを問わず、名刺管理の際は名刺を素早く整理することが大切です。原則として、名刺を入手した日のうちに、所定の場所へ格納もしくは登録する習慣をつけましょう。
整理を後回しにすると、名刺が溜まり続け、まとめて処理するのに時間がかかります。また、商談内容や担当者の特徴といった細かな情報は、時間が経つほど曖昧になるはずです。
「入手したらすぐ整理する」というルールは、名刺管理の効率化に大きな影響を与えます。このような日々の習慣こそ、日々の営業活動を変えていくのです。
3-3. 名刺は素早く整理
アナログとデジタルに共通するポイントとして、追加で確認しておきたいのが、名刺管理と個人情報保護法の関係です。
個人情報保護法は、次のような「個人情報データベース等」を保護の対象としています。
個人情報保護法
第16条第1項
この章及び第八章において「個人情報データベース等」とは、個人情報を含む情報の集合物であって、次に掲げるもの(利用方法からみて個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして政令で定めるものを除く。)をいう。
一. 特定の個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの
二. 前号に掲げるもののほか、特定の個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成したものとして政令で定めるもの
出典:e-Gov法令検索:個人情報保護法
そして、個人情報保護委員会によると、デジタル管理のみならず、アナログ管理であっても個人情報保護法の対象となる場合があります。
「個人情報データベース等」とは、特定の個人情報をコンピュータを用いて検索することができるように体系的に構成した、個人情報を含む情報の集合物をいう。また、コンピュータを用いていない場合であっても、紙面で処理した個人情報を一定の規則(例えば、五十音順等)に従って整理・分類し、特定の個人情報を容易に検索することができるよう、目次、索引、符号等を付し、他人によっても容易に検索可能な状態に置いているものも該当する。
出典:個人情報保護委員会:個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)
このように、アナログかデジタルかを問わず、体系的に整理された名刺は高いセキュリティのもとで管理されなければなりません。名刺管理の方法を改善したり、名刺管理サービスを導入したりする場合は、セキュリティについてもあわせて検討していきましょう。
アナログ管理とデジタル管理の比較

アナログ管理とデジタル管理の主な特徴を、以下の表に改めてまとめてみました。
特徴 | アナログ管理 | デジタル管理 |
|---|---|---|
格納・登録しやすさ | 🟢 | 🟢 |
携帯性 | ❌ | 🟢 |
紛失しにくさ | ❌ | 🟢 |
検索性 | ❌ | 🟢 |
保管スペースの効率 | ❌ | 🟢 |
マーケティング活用 | ❌ | 🟢 |
導入コストの低さ | 🟢 | ❌ |
これまで確認してきた通り、名刺管理サービスなどを用いるデジタル管理は機能性に富む一方で、導入時に一定のコストがかかります。選定の際は、無料で利用を開始できるサービスを試し、デジタル管理が自社に合っているかどうかを確認してみましょう。
myBridgeは個人利用については完全無料、法人向けの共有名刺帳も無料プランから始められます。
アナログ管理から名刺管理をどのように効率化できるか確認し、削減できる工数や空くリソースを把握できると、名刺管理サービスをはじめとするツールの費用対効果を分析できます。自社に合った方法を見極めるためには、アナログ管理とデジタル管理の両方を試してみることが大切です。
名刺管理サービスを選ぶコツ

名刺管理サービスにはさまざまな種類がありますが、機能の多さだけで選んでしまうと、「操作が複雑で現場で使われない」という事態に陥る恐れがあります。ここでは、自社にとって価値のある名刺管理サービスを選ぶコツを紹介します。
5-1. 無料で使用できる機能を確認
デジタル管理の1つの選択肢として、名刺管理サービスの導入を検討している場合、まずは、費用をかけずにどのような機能を使用できるのかを確認するのがおすすめです。最低限チェックしたいのは、名刺の登録機能と社内での共有機能です。
この2つの機能が備わっていれば、基本的な管理・共有体制を構築できます。あわせて、登録できる名刺の枚数や利用できるアカウント数に制限がないかも確認しておきましょう。将来、ユーザー数や保有データ量が増えた際、どの段階で有料プランへ切り替わるのかを把握しておくことも重要です。
5-2. 直感的な操作性を確認
一部の担当者だけでなく営業部門全体で名刺管理ツールを活用するケースもあります。そのため、ITスキルに差があっても迷わず使える設計になっているかどうかは、選定時の重要なポイントです。
特に確認すべきは、名刺情報の取り込みやすさです。スマートフォンで撮影するだけでデータ化できるか、複数枚をまとめて登録できるかなど、日々の運用負担を軽減する観点から確認していきましょう。操作が煩雑だと入力が後回しになり、結果として名刺管理サービスが活用されなくなる恐れがあります。
5-3. マーケティング施策に活用できるかどうかを確認
名刺管理ツールを導入する目的の1つに、名刺情報の活用があります。そのため、選定時は、名刺情報を柔軟にエクスポートできるかどうかも重要な基準です。
例えば、CSV形式でデータをエクスポートできる機能があれば、メルマガ配信ツールに名刺情報を効率的に取り込み、既存顧客への情報発信に活用できます。まずはデータの出力が柔軟にできるかどうかを確認しましょう。
CRMやSFAの機能を有するサービスや、連携機能が用意されているサービスもありますが、これが本当に必要かどうかは会社の営業体制によって異なります。すでに顧客管理システムを運用している場合は連携性を確認し、まだ導入していない場合は将来的な拡張性として検討する、あるいは、高機能で複雑なサービスを使いこなせないようであればシンプルな機能のサービスを活用するといったように、自社の状況に合わせて判断することが大切です。
【無料でカンタン操作】名刺登録・共有に役立つ名刺管理サービス「myBridge」
名刺のデジタル管理を試してみたいという方には、名刺管理サービス「myBridge」がおすすめです。 myBridgeには次の特徴があります。
無料で活用開始できる
初期費用がなく、個人利用は無料、法人向けの共有名刺帳も無料プランがあるので、「デジタル管理をまずは試してみたい」という企業に適しています。アナログ管理から移行しやすいシンプルな設計
myBridgeは、スマートフォンで名刺を撮影するだけでデータ化できます。これまでホルダーやボックスで名刺を管理していた場合でも、デジタル管理へスムーズに移行できる設計です。ITに不慣れなメンバーでも直感的に使える
myBridgeには、ITツールに慣れていない担当者でも直感的に操作できるUI(ユーザーインターフェース)が採用されています。メモ機能で追加情報を共有できる
myBridgeでは、メモ機能を活用して、名刺交換をした日時や交換時の会話などの追加情報を名刺に紐づけて記録できます。CSV形式でのデータ出力に対応
myBridgeに登録した名刺情報はCSV形式でエクスポート可能です。メルマガ配信や他ツールへの取り込みなど、マーケティング施策への展開に活用できます。
このようにmyBridgeであれば、名刺のデジタル管理を無料で開始できます。スマートフォンで名刺を撮影し、データ化された情報を共有して、データをエクスポートするという名刺の登録と活用を実際に利用しながら使用感をつかむことができるため、名刺管理サービスが自社に合っているかどうかを確認するのに最適です。
まとめ
名刺管理の方法には、ホルダーやボックスで紙の名刺を保管するアナログ管理と、Excelや名刺管理サービスを活用して、データ化した名刺情報を管理するデジタル管理があります。
アナログ管理は手軽でコストを抑えやすい一方、検索性や共有性に課題を感じる場合が多いです。これに対して、デジタル管理は情報の検索や社内共有、マーケティング施策への活用といった面で強みを発揮しますが、コストがかかり、運用設計やルールづくりに注意しなければなりません。
大切なのは、自社の営業スタイルや組織規模、活用目的に合わせた方法を選ぶことです。単に「流行っているから」「便利そうだから」と選定するのではなく、名刺情報をどのように活用して、どのような成果に結びつけたいのかを明確にした上で、各方法を実際に試してみてください。













